SpringとSpring Bootの違いが5分でわかる初心者向けガイド
この記事では、SpringとSpring Bootの違いを「何が楽になるのか」「何を自分で設定するのか」の観点で整理し、初学者が迷わず選べるように分かりやすく解説します。
Springとは
Springは、Javaでアプリケーションを作るときの「土台(フレームワーク)」です。特に有名なのが、DI(依存性注入) と IoC(制御の反転) を中心にした設計で、クラス同士の結びつきをゆるくして、テストしやすく・変更に強いコードを書きやすくしてくれます。
Springという言葉は少し広くて、実際には「Spring Framework」を指すことが多いです。Spring Frameworkの中には、Web開発向けのSpring MVC、データアクセス向けのSpring JDBC、トランザクション管理など、たくさんの機能が入っています。
Spring Bootとは
Spring Bootは、Springを使った開発を「すぐ始められるようにする仕組み(拡張)」です。
Spring Frameworkは自由度が高い反面、最初にやること(設定や依存関係の調整)が多くなりがちです。そこでSpring Bootは、よくある構成をあらかじめ用意して、面倒な初期設定を大幅に減らします。
Spring Bootでよく出てくるキーワードは次の3つです。
- Auto Configuration(自動設定): 依存関係を見て「たぶんこうしたいよね?」を自動で設定する
- Starter(スターター): 必要なライブラリ一式をまとめて入れられる
- Embedded Server(組み込みサーバ): Tomcatなどを内蔵でき、アプリ単体で起動できる
ざっくり結論
一言でいうと、こう捉えるのが一番スッキリします。
- Spring:高機能で自由度が高い「フレームワーク本体」
- Spring Boot:Spring開発を簡単にする「便利パッケージ(起動・設定・依存関係を整える)」
「Spring BootはSpringの別物」ではなく、「Springの上に乗って開発体験を良くしたもの」と考えるのが正解です。
何がどう違うのかを具体例で理解する
違いが分かりやすいポイントを、初心者がつまずきやすい順に並べます。
設定の量が違う
Spring FrameworkだけでWebアプリを作る場合、環境によっては設定が増えます(XMLやJava Config、サーバ設定など)。
Spring Bootでは、依存関係(Starter)を追加して、最低限の設定だけ書けば動くことが多いです。たとえばWebアプリなら、基本はこれだけで開始できます。
import org.springframework.boot.SpringApplication;
import org.springframework.boot.autoconfigure.SpringBootApplication;
@SpringBootApplication
public class DemoApplication {
public static void main(String[] args) {
SpringApplication.run(DemoApplication.class, args);
}
}
@SpringBootApplication は実は便利な詰め合わせで、ざっくり言うと「コンポーネントスキャンして、Spring Bootの自動設定も有効にしてね」という合図です。
依存関係の入れ方が違う
Spring Bootは「スターター」を使うのが基本です。たとえばWeb APIを作りたいなら、Mavenだとこうです。
<dependency>
<groupId>org.springframework.boot</groupId>
<artifactId>spring-boot-starter-web</artifactId>
</dependency>
この1つで、Spring MVCや組み込みTomcat、JSON変換など、Web APIにありがちな構成がまとまって入ります。 Spring(Bootなし)だと、必要なライブラリを個別に選んでバージョンを合わせる場面が増えがちです。
起動方法が違う
Spring Bootは組み込みサーバのおかげで「Javaアプリとして起動」できます。
./mvnw spring-boot:run- あるいは
java -jar xxx.jar
一方で、Spring MVCを従来の形で使う場合は、外部のアプリケーションサーバ(Tomcatなど)にWARをデプロイする構成も多く、環境準備が少し増えます。
よくある誤解
Spring Bootを使うとSpringを学ばなくていい?
いいえ。Spring Bootは「Springを隠してくれる」面もありますが、実務では結局Springの基本(DI、トランザクション、Bean、設定の考え方)を理解しているほど強いです。
Spring Bootは“楽”にしてくれますが、“不要”にするわけではありません。
Spring Bootは魔法で全部やってくれる?
自動設定は便利ですが、完全にブラックボックスにするとハマりやすいです。
たとえば「どの設定がどこから効いているか」を追えるように、application.properties / application.yml の役割を少しずつ覚えるのがおすすめです。
server.port=8081
spring.application.name=demo-app
このように「アプリの外から設定できる」設計になっているのもSpring Bootの使いやすさの理由です。
初心者はどっちから始めるべき?
基本は Spring Bootから が学びやすいです。
- すぐ動くので成功体験を作りやすい
- Web APIやDB接続など、現場でよく使う形に早く触れられる
- 依存関係や起動が簡単で、学習の障害が少ない
そのうえで、慣れてきたら「自動設定が何をしているのか」を少しずつ理解していくと、Spring全体の理解が深まります。
まとめ
- SpringはJava開発のための土台となるフレームワーク
- Spring BootはSpringを使った開発を素早く始められるようにする仕組み
- 違いは「設定」「依存関係」「起動」の手軽さに出る
- 初心者はSpring Bootから入ると学びやすい
次に学ぶなら、Spring Bootで簡単なREST APIを作って、DIや@RestController、@Serviceの役割に慣れるのがおすすめです。